防災対策に金をかけろ 不毛な地震予知に血税をドブに捨てる“課税夫”のノダ(1)掲載日時 2012年03月03日 15時00分|掲載号 2012年3月8日 特大号
http://wjn.jp/article/detail/9080508/
平成24年度の地震調査研究関係政府予算案
355億8500万円(独立行政法人は別途)
355億8500万円(独立行政法人は別途)
いまだに「お粗末な地震観測態勢が招いた人災だ」という声もある中、野田内閣による平成24年度の地震調査研究関係政府予算案は、対前年度比262%にのぼる355億8500万円を計上した。この中には、地震調査に関連する独立行政法人の運営費交付金は含まれていないので、実際はもっと多い。
今回発生したマグニチュード(M)9.0という地震の規模。日本の地震観測史上最も巨大なものであったわけだが、この数値は日本が独自に観測したものではなく、実はフィンランド、モンゴル、ロシアなど11カ国で観測されたデータによるものだ。「日本の地震計が観測できるのはM8.0が上限です。これを超えると、どれだけマグニチュードが大きくても地震計が振り切れてしまいます」と気象庁の担当者は説明する。
発生した地震の規模を的確に把握できず、海外のデータに依存したのみならず、気象庁は、3・11の前々日に発生したM7.3の大規模地震さえも“予兆”とはせずにやり過ごした。この理由については、「前兆を観測し、地震発生前に情報を発表する態勢を取っているのは駿河湾周辺から静岡県内陸域を震源地とする東海地震だけなのです」(同)と説明する。
日本の地震計が観測できるのはM8.0が上限
防災対策に金をかけろ 不毛な地震予知に血税をドブに捨てる“課税夫”のノダ(2)掲載日時 2012年03月04日 15時00分|掲載号 2012年3月8日 特大号
http://wjn.jp/article/detail/3987672/
地震計だけではない。津波観測にしても実にお寒い限りだ。津波の観測地点は、沖合遠方にあることが望ましい。しかし現在は、ほとんどの津波観測機器は沿岸からわずか20km足らずのところが設置場所だという。「それより遠くなるとGPSの電波が届かず、地上との交信もできないから」(同)との理由だ。
日本の地震に対する調査研究は、陸地や海域だけでなく、地下水や地磁、地熱などの分野でも盛んであり、あらゆる角度からなされているにもかかわらず、それでも“3・11”を予測することはできなかったのである。地震予知連絡会の島崎邦彦会長は、地震発生後の会見で「想定外でした」と発言した。
“3・11”を予測することはできなかった
東日本大震災の後、多くの地球物理学者が「地震予知は不可能」との立場をあらためて明確にした。東京大学のロバート・ゲラー教授(地震学)は、英科学誌『ネイチャー』に論文を掲載し、その中で「常に日本全土が地震の危険にさらされており、特定の地域リスクを評価できない。日本政府は地震を予知できないことを国民に素直に伝えるべき」と提言した。
日本政府は地震を予知できないことを
国民に素直に伝えるべき
日本の地震研究は、先に述べたように多方面にわたっているため、所轄省庁も国土交通省、文部科学省、経済産業省など多岐に及んでいる。しかし、研究分野としては広いわけでもなく大同小異だ。たとえば津波研究については、気象研究所もタッチしていれば独法の海洋研究開発機構も携わっている。活断層にしても、産業技術総合研究所や国土地理院がそれぞれに行っている。これらを仕分けして一本化すれば、経費削減はもちろん事業の円滑化にもなるはずだが、それをしない。なぜなら役人は省益に群がり、研究者は研究者で“地震ムラ”に群がっているからだ。「お粗末な人災」と言われる理由がそこにある。
日本の地震予知は不可能
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「防災対策に金をかけろ」
行政の地震予知
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