2018年8月16日木曜日

森林浴フィトンチッドphytoncidとは_精油含有量テルペン揮発性活性物質ボラクタンス・フェノール・ピネン_木の3主要成分セルロース・ヘミセルロース・リグニン_針葉樹アカマツ・トドマツ・スギ・ニオイヒバ・ヒノキ_広葉樹クスノキ・ヤブニッケイ・タブノキ


森林の中で感じる爽やかな香りは主に樹木が発するフィトンチッドで、
最も大きな割合を占めるのはテルペン類です。


▼森林浴

6〜8月頃の夏の午前中が濃度が高く、森林浴に一番適している。


▼フィトンチッドとは

https://ja.wikipedia.org/wiki/フィトンチッド
フィトンチッド(phytoncide)とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指す。

http://www.phytoncide.co.jp/about.php
誰の力を借りることもなく
樹木が何千年もの間
生き続けることができる生命力の源

1930年頃、ロシア(旧ソ連)の科学者B.P.トーキン博士がこの植物が持つ不思議な力を発見しフィトン(植物が)チッド(殺菌する)と名付けました。
これを繋げて読むと、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」という意味になります。
フィトンチッドは、自由に動き回ることのできない植物が、害虫などの外敵から攻撃や刺激を受けたり、傷ついた時でも病原菌に感染しないように傷口を殺菌したり、害虫を寄せ付けない為にフィトンチッドを作りだし、発散することによって、自らの身を守ります。
フィトンチッドも植物が身につけた生きるための能力の1つです。樹木にとっては、自分の身を守るためのバリアのようなもので、まさに生命の神秘といえます。

https://www.deodor.co.jp/phytoncide.htm
森林の樹木が自らを守るために、葉や幹から発散している揮発性物質をフィトンチッドと言います。
フィトンチッドは防カビ・防菌・防虫効果の他、空気を浄化・消臭する働きもあるため、森の中で動物の糞尿や死骸が強い悪臭を発したりすることはありません。
また、大きな捉え方をすれば、植物が作り出す二次代謝産物をフィトンチッドと呼ぶこともあり、植物の力を利用するハーブやアロマ、漢方も広い意味では同じジャンルと言えそうです。

植物がフィトンチッドを発散するのはなぜ?
人間にとって有益なフィトンチッドですが、植物はなぜこのような物質を作り出すのでしょうか?動物と違って移動できない植物は、フィトンチッドによって自らの生命を守っていると考えられます。

・誘因効果:受粉したり種子を運んでもらうため、香りによって昆虫や鳥を引き寄せます。
・忌避効果:昆虫や鳥が嫌がる香りや苦味を出し、摂食されないようにします。
・抗真菌・抗菌効果:カビや細菌の発生・増殖を防ぐ役割をします。

http://www.hobashira-aigo.jp/6_hakase/fusigi/fu_13.html
なぜ樹木がそのような物質を作りだしているかと言えば、樹木の生活にとって防御物質としての効用、他個体との通信するための化学物質として、周辺の個体に危険を知らせたり、虫の天敵を呼び寄せるのも匂いを使っていることが知られています。

こうした抽出成分は木のどこから出てくるのだろうか。これは樹木の葉や幹から揮発性物質として発散される。根から分泌される成分・落葉の分解によって出る成分などいろんな部位から抽出成分が出できます。
この成分は揮発性の物質もあるし、非揮発性物質もあります。これらの成分が木から飛び出して、他の生物、つまり動植物、そして人間に影響を与えるわけです。それらを総称してフィトンチッドと呼んでいます。
その中で特に森林浴に関係あるのは、揮発性物質です。
テルペンはスギやヒノキの葉をちぎった時に漂う香りです。樹木には通常50〜100種のテルペンが含まれています。


▼フィトンチッドの働き・効用・効果

https://www.deodor.co.jp/phytoncide.htm
フィトンチッドの効用
1、消臭効果
排泄物臭、生ゴミ臭、タバコ臭、汚水臭などを除去します。フィトンチッドが空気中のにおい物質と接触して消臭反応を起こし、無臭の安定物質に変化させます。
2、アルファ波効果
森の中で深呼吸すると気分が落ち着き、さわやかさを感じます。これは森林浴効果と呼ばれているもので、森林の樹木が放出しているフィトンチッドが、脳内のアルファ波(α波)を増加させるからです。
3、防カび・防菌・防虫効果
日本では昔から木材が建材として使われてきました。これは、多湿な日本におけるカビなどの建物への影響を抑えるためです。また、ヒノキのタンスが古くから愛用されているのは、その防虫効果によるものです。
さらに、押し寿司・酒樽・寿司屋のヒノキのカウンターなどにみられるように、フィトンチッドには細菌の増殖を抑制する働きがあります。
このようにフィトンチッドにはカビや細菌の増殖を抑える働き、食品への防腐・殺菌、家ダニなどへの防虫効果があり、古くからその力が利用されてきました。
4、有害物質(ホルムアルデヒドなど)の低減
消臭だけでなく、フィトンチッドは優れたアメニティ効果があります。先に述べた防カビ・防菌のほかに、オゾン・NOx等の有害物質を低減させます。また、シックハウス症候群の原因ともいわれる、ホルムアルデヒド等の室内汚染物質も中和してくれます。


▼森林浴・フィトンチッドの多い木
http://www.suirin.com/shinrinyoku/shinrin-gaiyou.html
どの木に、どれだけ
フィトンチッドは、植物からどのように放出されるのでしょうか。一般的なのは葉から放出されるもの。森林浴で私たちが楽しむ森の香りです(揮発性フィトンチッド)。そのほか、茎、花、根などからも放出されます。
森の香りをさらに調べると、テルペン類というフィトンチッドが一番多いことが分かります(そのほか、フェノール類、炭化水素類など)。つまり、森の香り成分の主役はテルペン類というわけです。
では、森の樹木には、どのくらい香り成分(主にテルペン類)が含まれているのでしょうか。それを測る方法の一つが、精油を取りだすというもの。精油(すんだきれいな液体)のほとんどがテルペン類です。
樹木(幹・枝・葉を細かく砕いたモノ)を熱水で煮るか蒸して精油を取りだすことができます。
そうして取りだした精油量(テルペン類などの量)を樹種別に比べた表があります。(葉から取りだした量の比較)いわば、樹木のフィトンチッド量の比較です。ここでは、トドマツ、シキミ、ネズコ、ヒノキ、スギがとくに多いという結果がでています。全般的に、針葉樹のほうが精油量(フィトンチッド)を多く含んでいます。
樹木に含まれる精油量は、季節的に変化しています。毎月の量を測定した結果(主な樹種)では、毎月6〜8月にかけて精油量が最大となり、冬は少なくなることが分かっています。したがって、森の香り成分(テンプル類)の量もこの傾向を示すと思われます。

「森林浴の効果を高めるには」
森の香りを浴びて快適さを楽しみ、心身のリフレッシュで健康に役立つ森林浴ですが、できるだけその効果を高めるにはどんな点に留意したらいいのでしょう。森の香り成分をいっぱいに浴びるためのヒントをあげましょう。以下に紹介する結果を整理すると、
・針葉樹の森の
・林の中で
・夏
・午前中
に森林浴を楽しむと、もっとも高い効果が期待できるのです。
どんな森--香り成分が多いのは
できるだけフィトンチッドを浴びるためには、フィトンチッド(ここではテルペン類)が多い森へ出かけましょう。森の香り成分テルペン類は、精油として取りだすことができることは、本章「森の香りフィトンチッドの働き」で紹介しました。
樹木がもつ精油量(≒テルペン類)は、樹種によって大きな違いがあり、針葉樹のほうが多い傾向にあります。
ですから、精油をたくさん含む樹種の森を選んで出かけてみてはいかがでしょう。
実際に放出されるテルペン類を測定した結果例では、スギ林、アカマツ林が広葉樹林より高い濃度を示しています。
いつ--香り成分が高い時期
樹木に含まれる精油量(?テルペン類)にはかなり季節的変化が見られます。調査結果を表したグラフから1年のなかで6月頃が最も含有量が多いことが分かります。
アカマツ林内に実際に放出されているテルペン類を測定した結果をみると、一日のなかでは午前11時に一番濃度が高いことが分かります。
どこで--香り成分濃度が高い場所
また、このグラフは、林の緑(林緑)から林内に入ったいろいろな場所で濃度を測定した結果を示しています。グラフから一目瞭然なのは、林緑から60m中へ入った場所がもっともフィトンチッド濃度が高いという測定結果です。
自動車道路に隣接したクロマツ林内で測定した結果では、道路沿いの場所に比べて林の中に入るほどフィトンチッド(テルペン類)濃度が高い結果が出ています。なお、クロマツの葉による大気浄化作用も働いて排気ガスは林に入るほど低くなっていますから、ここでもある程度林に入った方が森林浴効果が期待できるのです。
 山麓、中腹、山頂で濃度は違うのでしょうか。スギ林でテルペン類を測定した結果、(一部)から、麓より中腹、山頂がテルペン(ここではa-ピネンというテルペン類の一つ)濃度が高いことが分かります。


http://www.hobashira-aigo.jp/6_hakase/fusigi/fu_13.html
森林浴に効果的な物質とは

森林浴で体にプラスに働く化学物質を正しく表現する言葉は、フィトンチッドではなく揮発性活性物質(ボラクタンス)である。

木の成分は、セルロース40←→55%、ヘミセルロース20←→30%、リグニン20←→30%を3主要成分といいます。この他に抽出成分が数%含まれますが、種類が多く(通常50〜100種)パワフルで様々な働きをする成分であることが分かっています。
この3主要成分の含有量は、木の種類によって変わらないのですが、抽出成分は種類毎に含有量は変化します。そのために樹木の香りが樹種によって違うのはそのためなのです。
抽出成分の中には木の香り成分、色の成分、耐久性成分、その他さまざまな成分が含まれています。このような成分が人間の健康に活力を与えてくれるのです。

森林浴は自律神経を安定させ精神をリラックスさせたり、或いは森の緑は現代人の疲れた目を休ませるなど、森には癒しの作用があるのです。
森の中に入るとさわやかな香りを感じるときがあります。これは主に樹木が発するアルコール・フェノール・エステル・脂肪酸・炭水化物・テルペンなど様々な物質から構成されています。最も大きな割合を占めるのはテルペン類です。

効用成分はテルペン

揮発性物質の濃度・時期・場所など

揮発性物質が液体になったのを精油と呼んでいます。樹木から採り出せる精油(揮発性物質)の量は木の種類によって違いがあります。

1.針葉樹の例ではトドマツ・ネズコ・スギ・ニオイヒバ・ヒノキなどが含有量が多い。広葉樹ではクスノキ・ヤブニッケイ・タブノキなどか含有量が多い。針葉樹の方が精油量が多い傾向にある。

2.テルペン濃度は、スギやアカマツなどの針葉樹の方が広葉樹より濃度が高い。また、単木よりも樹木が集まった林の状態の方が濃度が高い。

3.テルペン濃度が高い場所は、山の山腹部で中腹から上に行くにしたがって、少しずつ減っていく。

4.晴れた日は濃度が高く、雨の日は1/10〜1/50まで下がる。

5.季節によっては6〜8月は濃度が高く、冬になるにしたがって低くなる。

6.テルペンは空気より重いので、樹冠の上では木の香りは殆ど無い。