2012年11月8日木曜日

静岡地方気象台(静岡市駿河区)のサクラ標本木はソメイヨシノではない?・森林総合研究所多摩森林科学園の勝木俊雄主任研究員_ソメイヨシノは静岡県で生まれた?

●読売新聞 2012年11月8日
静岡のサクラ標本木、ソメイヨシノじゃない?
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121108-OYT1T00855.htm?from=main4
 静岡地方気象台(静岡市駿河区)がサクラの開花観測に使う標本木が、本来のソメイヨシノではない可能性があることが、独立行政法人「森林総合研究所多摩森林科学園」(東京都)の勝木俊雄主任研究員(45)らの調査で分かった。

交雑の可能性が指摘された静岡地方気象台の標本木(3月24日撮影)
知人の樹木医から「静岡地方気象台の標本木が、周囲のサクラに比べて開花が早い」と聞き、形態を調べたところ花の大きさなどに違いがあり、DNAを調べたという。

 ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンが交雑した栽培品種で、基本的には接ぎ木や挿し木で増やすため、同じ遺伝子型を持つクローン。全国のサクラの半数以上を占める。

 同気象台の標本木と、同科学園などにあるソメイヨシノのDNAを抽出し、32か所の遺伝子を比較した結果、11か所で遺伝子型が異なっていた。勝木研究員は「種としてはソメイヨシノと同じグループに分類できるが、栽培品種としてのソメイヨシノではない」と指摘。ソメイヨシノがさらにオオシマザクラと交雑した木と推測されるという。