2012年4月11日水曜日

「青から赤へ・19の春」

強烈な風雨が心地よい時がある。
時に嵐の中に自ら入る時もある。
晴れた青い空の記憶があるから。


「青から赤へ・19の春」

19。

今は青。

笑いながら泣けない。

桜の花びらが全部散ったら、

ガラス越しに白い雪を見ていた窓を全部開けてみよう。

新しい息吹ごとに、それらを見、聞き、嗅ぎ、触れ、食べるのだ。

今は青。

泣きながら笑えない。

そうだ、誕生日には天女山に登ろう。

美し森を通って羽衣池にも行こう。

澄んだ水に、空の青と太陽の赤が混ざることなく一緒にあるはずだ。

今は青。

20。

青から赤へと変わっていく。

時々青と赤を混ぜて、混ぜられながら、いずれ混ざって紫になる。

その頃には、笑いながら泣いたり、

泣きながら笑うこともできるようになるかもしれない。

今は青。