強烈な風雨が心地よい時がある。
時に嵐の中に自ら入る時もある。
晴れた青い空の記憶があるから。
「青から赤へ・19の春」
19。
今は青。
笑いながら泣けない。
桜の花びらが全部散ったら、
ガラス越しに白い雪を見ていた窓を全部開けてみよう。
新しい息吹ごとに、それらを見、聞き、嗅ぎ、触れ、食べるのだ。
今は青。
泣きながら笑えない。
そうだ、誕生日には天女山に登ろう。
美し森を通って羽衣池にも行こう。
澄んだ水に、空の青と太陽の赤が混ざることなく一緒にあるはずだ。
今は青。
20。
青から赤へと変わっていく。
時々青と赤を混ぜて、混ぜられながら、いずれ混ざって紫になる。
その頃には、笑いながら泣いたり、
泣きながら笑うこともできるようになるかもしれない。
今は青。