2011年3月21日月曜日

フランス[vacances]

FRANCE [バカンス]

フランスでは、ゆっくりと、しかも豊かさを感じる信じられない時間を何度も感じた。
パリのオープンカフェ。パリを囲むどこまでも続きそうな大地と丘。ボルドーの海の家。南仏の大地と海の恵み。荘厳なアルプスの山々。多様な人種。何より歴史を大切にして続いた美しき国。

小学生のコロニー・ド・バカンスに同行した。
エーデルワイスなどの高山植物の花が咲くフランスのアルプス山脈で、ハイキング(トレッキング)やロッククライミング、自炊などをするプログラムだった。考えられない衝撃の日々だった。ルピナスの群生は美事だった。

◆バカンス Vacances(Vacation)
有給休暇を使い切る労働者は「フランスが89%でトップ、日本が33%で最下位。」だとか。
フランスの法律では、「休暇は連続5週間まで取得可能」。
1936年、通称「バカンス法」といわれる法律の制定から、バカンスがスタート。世界恐慌の後の深刻な不況の中において、景気回復を目的にした、週40時間労働・年2週間の有給休暇を定めた。
その後何度も改正され、「労働者の権利」であり「使用者の義務」とされ、1982年から現在の5週間となっている。
労働時間は、週35時間。
週35時間では仕事が終わり切らない残業分は、有給休暇として追加される。つまり、2ケ月間のバカンスも可能となる。

◆バカンスチケット  Vacances Billets(Vacations Tickets)
子供のいる家庭には、バカンスチケットと呼ばれる国内旅行割引券を社会保障として配っている。
金額は収入や納税額により異なる。
バカンスの宿泊領収書を添え家族手当事務所に送ると、後日、銀行口座にその領収金額が振り込まれるシステムで、支給限度額を超える場合は限度額までが全額振り込まれる。

◆コロニー・ド・バカンス Colonie de vacances(Summer camp)
子供の夏休みは2ケ月間。子供の夏休みには、宿題など一切ない。
夏休み以外の学校の休みは、11月トゥーサン(万聖節)に2週間、12月ノエル(クリスマス)に2週間、2月冬休(スキー休み)に2週間、4月イースターに2週間と、年に5回ある。
学校の休みが多く長いので、学童(centre de loisirs)や合宿形態のサマーキャンプのようなもの(colonie de vacances)に行かせるケースが多い。
コロニー・ド・バカンスは、区や市、民間の多数の会社でもコロニーを企画しており、1週間から夏場だと1ケ月程度のものまであり、多くは自然の中でいろいろな活動をして過ごすというもの。
自治体では、バカンスチケットと同じく、親の収入に応じて低価格で提供している。
コロニーの内容は、それぞれ工夫をこらして、数百種類以上。


<家の中のフランス>
ボルドーの松ぼっくり。
バルビゾンの石とレストランの皿。
パリの蚤の市で買った一輪挿し。
ヴァランスの窯元で買った器。
そして、
ジャン・ジャンセンの「ジュスティーヌ」。