静岡新聞 2014年3月12日
こだわり10年間の結晶
「日本最高峰の印象派庭園」と評される浜名湖ガーデンパーク(浜松市西区)の「印象派庭園・花美の庭」。まるで絵画に入り込んだような色彩が印象的で、2004年の浜名湖花博でも好評を博した。この庭の植栽管理責任者を務めるガーデナーの井村義人さん(34)は花博の開幕を目前にして、連日、花壇や樹木の手入れに汗を流す。
10年前まで、国内各地で開催される花と緑のイベントのコンサルティング会社に勤め、04年の花博では屋外の景観を監修した。「浜松は無霜地帯で植物を育てやすい。人の温かさにも触れて、静岡に住んでみたくなった」と振り返る。花博をきっかけに退社し、湖西市に移り住んだ。
「庭は自然と人が育てていくもの。今回の花博はこれまで積み上げたノウハウの結晶になる。深みが増して、さらに作り込んでいる」と井村さん。
会期中は花美の庭にある104の花壇に600種の花々が次々と開花する。「光の関係で美しく見える色」という地域に合った植物を選定するなど演出にこだわった。井村さんが約20人のスタッフと共に、花壇というキャンバスに花の絵の具で描き上げる“絵画”だ。