2012年10月11日木曜日

伊豆大島南方の大室ダシ_活動的な流紋岩質海底火山だと確認_伊豆諸島の八丈島に匹敵する規模_噴火活動史・火山構造の調査・研究に着手

●独立行政法人海洋研究開発機構 2012年10月11日
伊豆大島南方の大室ダシにおける浅海海底熱水域の活動状況の調査について
~詳細な噴火活動史・火山構造の調査・研究に着手~
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20121011/
(一部抜粋)
大室ダシが活動的な流紋岩質海底火山であることを初めて確認するとともに、その中央部に位置する凹地(大室海穴)において、継続的に活動的な浅海海底熱水域を発見し、海底熱水活動に伴うチムニー等の熱水沈殿物の採取に成功しました。
浅海にある流紋岩質海底火山は、マグマ水蒸気爆発によって爆発的な噴火を起こし、周辺海域や沿岸域に大きな災害を引き起こす可能性があります。
図1.海洋調査船「なつしま」のマルチナロービーム音響測深機で今回取得した大室ダシ周辺海域の海底地形図。赤点線は図3のシングルチャンネル地震波構造探査の測線。

図4.大室海穴底部(水深約200m)で発見された最高194℃に達する海底熱水活動。

4.今後の展望
大室ダシは200 m等深線で囲まれる山体の大きさが直径約20 kmあり、同じ伊豆諸島の八丈島に匹敵する規模の大きな火山です。今回の潜航調査だけでは火山の詳細な地質構造解明や、災害リスク等を評価する上で重要な過去の噴火履歴の把握には十分ではなく、継続的な調査・観測等を通した科学的解明が不可欠です。
それらの成果を踏まえ、国民生活・経済社会活動に資するための、大室ダシ、ひいては海底火山に関するリスクを含めた、科学的根拠を有する情報発信のため、多角的・多面的観点からの研究・調査を進め、基盤・基礎となるデータの整備に努めてまいります。