2012年8月25日土曜日

東京都心に活断層か?!_正断層型・M7級の地震_JR飯田橋駅周辺・北区田端から新宿区四谷付近まで_埼玉県熊谷市で開かれる日本第四紀学会で発表する。_豊蔵勇・元ダイヤコンサルタント技師長・日本活断層学会・元副会長「活断層の可能性が高い」_首都大学東京の山崎晴雄教授(地震地質学)「こういう断層ができる原因は地震以外にもある」_東京大学の池田安隆准教授(地形学)は正断層という点に注目「房総半島にも成り立ちの不明な正断層がある。東日本大震災の後で福島県内の正断層が動いた。海溝の超巨大地震の後、これらの正断層がお付き合いするように動くのかも」_武蔵野学院大学・島村英紀特任教授(地震学)「まだ発見されていない無数の活断層があるといわれています」

●東京新聞 2012年8月18日
都心に活断層か 専門家ら地層分析
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012081802000092.html
 東京都心部に断層があることを、地質調査専門家らのグループが、地層データから明らかにした。過去二十万年間に活動を繰り返しており、深部の活断層の存在を示している可能性もある。真上には多数の建物や高速道路があり、防災や都市開発に影響がありそうだ。二十日に埼玉県で開かれる日本第四紀学会で発表する。
 都心部は開発で自然の地形が失われて断層が分かりにくい。豊蔵勇・元ダイヤコンサルタント技師長らは、ビル建設や土木工事の際にボーリング調査された地層データを千点以上集め、分析した。
 その結果、JR飯田橋駅周辺から北北東-南南西に最大七キロにわたり、地層が食い違った断層が続いていることを突き止めた。
 さらに文京区内で得られたデータを分析すると、七、八万年前の火山灰を含むローム層が約二メートル食い違っていた。さらに九万年以上前の砂や砂利の層が約三・五メートル、二十万年前の東京層は約十二メートル食い違っていた。
 豊蔵さんは「古い地層ほど食い違いが大きいのは断層が何度か動いたことを示す。九万~二十万年前の間に四回ほど動いたのでは。地下深くで起きた地震の影響などでずれた可能性がある」と分析。また断層のタイプは正断層型だという。
 首都大学東京の山崎晴雄教授(地震地質学)は「こういう断層ができる原因は地震以外にもある。地震に関連する断層かどうか判断するにはさらにデータが必要だ」と話す。
 東京大学の池田安隆准教授(地形学)は正断層という点に注目して「房総半島にも成り立ちの不明な正断層がある。東日本大震災の後で福島県内の正断層が動いたように、海溝の超巨大地震の後、これらの正断層がお付き合いするように動くのかも」と推測する。
<断層> 地層の食い違いを断層という。正断層は、岩盤に引っ張る力が働くことで一方が滑り落ちるようにずれる。逆断層は、岩盤が圧縮されることで一方がもう一方に乗り上げる形でずれる。プレートが押し合っている日本では正断層は活動しにくいとされる。また活断層とは、最近活動したことがあり、今後地震を起こす可能性がある断層のこと。

●Yahoo!ニュース 産経新聞 2012年8月18日
都心直下 四谷~田端に活断層か 首都大学など調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120818-00000077-san-soci
 東京都心の直下に活断層の可能性がある断層が存在するとの調査結果を、民間の技術者や首都大学東京などの共同研究チームがまとめた。マグニチュード(M)7級の地震を起こす恐れがあり、本格的な調査が必要だとしている。埼玉県熊谷市で開かれる日本第四紀学会で20日、発表する。
 この断層は東京都北区田端から新宿区四谷付近までほぼ南北に延びており、長さは少なくとも約7キロ。国の中枢機関が集中する千代田区霞が関や永田町から約2キロの近距離にある。
 工事現場などで採取した地下のボーリング調査の試料を分析した結果、上端は深さ数メートルの地下にあり、東側へ傾斜している正断層と推定。数十万年前から7、8万年前までの間に数回ずれた痕跡があり、数万年間隔で地震を繰り返す活断層の可能性があると結論付けた。
 ただ、活断層かどうかの評価は研究チーム内で温度差がある。代表者で地質調査に詳しい日本活断層学会・元副会長の豊蔵勇氏は「断層のずれが蓄積されており、活断層の可能性が高い」と指摘。首都大学東京の山崎晴雄教授(地震地質学)は「他の場所で起きた地震の影響で地滑りを繰り返しただけかもしれない」と慎重な見方を示す。
 東京都内の活断層は立川断層帯が知られるが、都心で明確な証拠は見つかっていない。今回の断層は首都の中心部に位置しており、研究チームはボーリング調査で断層の活動間隔などをさらに詳しく調べる必要があるとしている。

●NEWSポストセブン 2012.08.24 ※女性セブン2012年9月6日号
東京都心地下に無数の活断層が存在する可能性を専門家指摘
http://www.news-postseven.com/archives/20120824_138860.html
 1日に350万人以上が利用するという東京の大動脈、JR山手線。8月20日、埼玉県熊谷市で開かれた日本第四紀学会で、首都大学東京などの共同研究チームが発表したのは、この山手線を、南北に真っ二つに切り裂く新たな活断層が存在する可能性だった。
 北区・田端駅付近から新宿区・四谷付近まで少なくとも7kmに及ぶというこの活断層。付近には上野や新宿の繁華街、東京ドームシティ アトラクションズのほか、人口密集地が存在する。
 これまで都心部は、開発のため自然の地形が失われており、断層がわかりにくいといわれてきた。しかし同チームは、ビル建設や土木工事の際にボーリング調査された地層データを千点以上集め、分析。その結果、数十万~7、8万年前までの間に数回ずれた痕跡のある今回の断層を発見したという。
 ただしこのチームは、今回発見した断層を活断層と断定するには、「国による本格的な調査が必要だ」としている。武蔵野学院大学・島村英紀特任教授(地震学)が解説する。
「地層が地震を引き起こす活断層であるかどうかを正確に判断するには、トレンチ法といって、深さ10mほどの溝を掘って地層の断面を見る必要があるんです。つまり現段階では活断層とはいいきれない。

しかし都心の地下には、
まだ発見されていない無数の活断層があると
いわれています。
今回の断層がそうした未発見のひとつであっても
何らおかしなことではありません。