2012年4月21日土曜日

セシウム_栃木県産の原木シイタケ危機_21市町が出荷停止

■2012年4月21日 東京新聞
県産シイタケ危機 21市町に出荷停止指示相次ぎ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20120421/CK2012042102000128.html
東京電力福島第一原発事故の影響で、県産シイタケが危機に陥っている。国の食品の新基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして現在、県内の多くの市町で栽培されたシイタケが国から出荷停止の指示などを受けている。

出口の見えない窮状に、生産を断念する農家も出てきている。

県林業振興課によると、

国から出荷停止とされた原木生シイタケは、
露地栽培で二十一市町。
露地より放射性物質の影響が少ないとされる施設栽培も五市町に及ぶ。


国が四月から基準を五〇〇ベクレルから一〇〇ベクレルに厳格化したのが主因。加えて、県は三月十五日、国が新基準値を示したことを受け、新たに出荷自粛を要請する数値を前倒しして一〇〇ベクレルとしたことで、事実上の出荷停止が早期に広域化した。
同課の担当者は「四月から一気に基準を変えると混乱を招く。前倒しに難色を示す農家も一部あったが、それ以上に一〇〇ベクレルという数値が厳しいとの声が多かった」と話す。
一方で、県も対策に乗り出している。県内産が主流の原木を、県外産に切り替える善後策を模索中。県林業センターは、露地栽培する林内の空間線量を下げるための実証実験に取り組んでいる。
それでも、課題は容易には解消されない。「露地栽培は『二夏経過』と言われ通常、原木に菌を植え付けてから二年たたないと収穫できない」と担当者。「原木を取り換えるとすれば、その間の農家の生活を保障しなければならない」とし、東電に対して生産者の要望に応じた補償を求め、調整を進めている。

昨秋からは、原木栽培の乾シイタケも二十二市町と下野市の一部で県からの出荷自粛要請が続く。
主力産業の復興へ向けた道のりは険しい。

<栃木県産の原木シイタケ> 
生シイタケの生産量は露地、施設栽培合わせて2010年、1308トン。群馬県の1359トンに次ぎ全国2位だった。市町別では、大田原市の189トンがトップ。鹿沼市の179トン、宇都宮市の140トンが続く。乾シイタケ(同年)は162トンで全国6位。市町別では、矢板市の25トンがトップ、次いで茂木町の24・5トン、芳賀町の15・3トンとなっている。