2011年4月17日日曜日

浜岡原発_運転差し止め訴訟

中部電力浜岡原発(御前崎市)の運転差し止めを求めた訴訟を起こしている原告住民の弁護団は16日、福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)の事故を受け、浜岡原発の運転停止を求める仮処分を静岡地裁に申し立てる方針を明らかにした。浜岡原発に反対する静岡市内の市民集会で、河合弘之弁護士が説明した。廃止が決まっている1〜2号機を除く3〜5号機が対象で、早ければ6月中にも申し立てる予定だ。
訴訟の弁護団関係者らによると、弁護団や原告団の一部のほかにも申立人の賛同者を募る考え。福島第1原発の事故は、津波で非常用電源などが失われたことが原因と指摘されており、中部電力は防波壁を設けるなどの対策を取る方針。
しかし、弁護団は「中電の津波の想定は甘い。今後の対策も不十分だ」と一刻も早い停止を求めるという。
浜岡原発について「想定される東海地震で事故が起こる」として1〜4号機を対象に運転差し止めを求めた訴訟は、静岡地裁が07年10月、中電の安全対策を認めて訴えを棄却。東京高裁で控訴審が続いている。
申立人になる予定の静岡市議、佐野慶子さんは「仮処分の申し立ては、浜岡原発を止めるための活動の一つ。原発の危険性が指摘されているこの時期に、さまざまな活動に取り組んで運転を止めたい」と話している。
【毎日新聞/4月17日朝刊】