2012年8月18日土曜日

福島の森_除染特別地域_双葉地方森林組合_林野庁磐城森林管理署_環境省の有識者検討会は、「生活圏優先」との理由から「森林全体の除染の必要性は乏しい」との考えを表明。_汚染物質は山から人里へ、川へ、そして海へいく。だから、山の除染は必要だ。

●Nuclear F.C : 原発のウソ 2012年08月17日
8/17 福島の森:原発事故の除染進まず 荒廃で自然災害の可能性http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/6540564.html

 東京電力福島第1原発近くの山林に分け入った双葉地方森林組合(仮事務所・福島県田村市)の秋元公夫組合長(64)は、荒れゆく山を目の当たりにした。

スギの苗木(中央後方)が雑草に埋もれ、ジャングルのようになった福島第1原発近くの山林=福島県大熊町で2012年8月9日、栗田慎一撮影
 東京電力福島第1原発近くの山林に分け入った双葉地方森林組合(仮事務所・福島県田村市)の秋元公夫組合長(64)は、荒れゆく山を目の当たりにした。
福島県内の森林除染が進まなければ、第1原発から20キロ圏の汚染された山々は長期間管理できなくなる。「山の荒廃が進めば、自然災害が必ず起きる」。悩みは深い。【栗田慎一】

 9日、海風が吹き付ける大熊町の山林に、震災後初めて、防護服姿で立ち入る秋元組合長に同行した。「ここのはずだが……」。
組合が管理を任されている民有林だが、目指す場所が分からないという。スギの苗木が整然と植えられていたはずの斜面が、人間の背丈より高い雑草でジャングルのようになっていたからだ。

 確認できた苗木の高さは約80センチ、通常よりも生育が遅れているという。周辺には、セイタカアワダチソウやシダが覆うように生えている。苗木には日光はほとんど当たらず、幹はやせていた。

 「あと2年ばかし下草刈りをしなければ、ここいら全部の苗木はとけてなくなる」

 スギやヒノキなどの苗木は、移植後5年間は毎年1度、下草を刈る必要がある。雑草に負けて日光が当たらず、枯れてしまうからだ。林業関係者は「とける」と呼ぶ。

 双葉郡を管轄する林野庁磐城森林管理署などによると、双葉郡は全体の約8割を森林が占め、その広さは6万5178ヘクタール。昨年度に予定していた約300ヘクタール分の苗木の下草刈りは実施できなかった。

 樹木が枯れると地盤が緩み、土砂崩れや鉄砲水を引き起こす可能性が高まる。川内村役場職員として40年余、林業畑を歩んだ秋元組合長は、人の手の入らなくなった山の惨状を何度も目にしてきた。

除染特別地域

 「汚染物質は山から人里へ、川へ、そして海へいく。だから、山の除染は必要だ。だが、道のない山奥に分け入るのも大変なのに、樹木を一本一本洗浄したり、土壌をはぎ取るなんてできっこないのは、俺らが一番よく分かっている」と語り、続けた。「荒れゆく山をどうするのか。住民の帰還が進むにつれ、それが心配だ」

 組合は、事故前まで引き受けていた郡内の森林管理の仕事を失った。森林除染が対象外となりつつあり、将来も見通せなくなった。

 “とけゆく”苗木のそばで線量を測ると、毎時40マイクロシーベルト強。国が年間累積被ばく線量の目安とする1ミリシーベルトを1日で超える数値だ。「こんなに高くて、ごめんな。どうにもできなくて、ごめんな」。苗木に語りかけ、山に向かって頭を下げた。

 ★福島の森林除染
 県内11市町村の旧警戒区域と旧計画的避難区域の除染は「除染特別地域」として国が直轄する。
除染方法を話し合う環境省の有識者検討会は7月末、「生活圏優先」との理由から「森林全体の除染の必要性は乏しい」との考えを表明。これに対し、県、県町村会は8月15日、双葉郡8町村議会議長会は同9日、細野豪志環境相に森林除染を求める要望書を提出した。


汚染物質は
山から人里へ、川へ、そして海へいく。