2011年2月27日日曜日

ベルナール・ビュフェ美術館

Bernard Buffet Museum
The Bernard Buffet Museum stores up the work of Buffet more than 2,000 points and is proud of world's best collection.

“Clematis no Oka”
Clematis no Oka has two areas, the Clematis Garden Area and the Buffet Area, with museums, gardens, restaurants and other facilities scattered over both areas. The two areas are about a 15min walk apart, and on a nice day, it is a pleasant walk.
<Address>
347-1 Higashino Clematis no Oka, Nagaizumi-cho,Shizuoka 411-0931 Japan

ベルナール・ビュフェ美術館に初めて行って来た。
私より長く生きているクスノキが迎えてくれるが、なかなか中に入れなかった。

美ヶ原と美ヶ原高原美術館の記憶が蘇ってしまった。
原因は、ビュフェの蝶と入口にあるビュフェとアナベルの写真。
ビュフェの絵を見るためだけにここに来たのに、その二人とビュフェの蝶が過去と重なってしまって、前に進めなかった。


ベルナール・ビュフェ美術館は、2,000点以上の作品を収蔵し、油彩・水彩・ デッサン、版画等、質、量ともに世界一のビュフェコレクションだという。ビュフェの全作品数が8,000〜10,000点だとすると、約4分の1がこの美術館にある事になる。
これだけ持っていると、この美術館の今後の活動により、ビュフェの世界的な美術史における価値も変わってくるだろう。と思った。

8000点として、毎日1枚完成させたとしても約22年間かかる。駄作があって当然だ。

ビュフェの有名な言葉。
「素直な愛情を持って絵と対話して欲しい。絵画は、それについて話すものではなく、いろいろ分析するものでもなく、ただ感じとるものである。一つの絵画を判断するには、百分の一秒あれば足りるのです。」

絵を描き続けた人の言葉ではない感じ。絵を観る立場など関係ないはず。

30歳の時に結婚しブュフェの死後に6年間生きた、二人目の妻アナベルは、
「ピンクの背景に寝そべっている私の裸体画を見つめていると、やり場のない怒りも消えていきます。そして、この先も歳をとったり、太って醜くなってはならないと、絵の中の私に激励されるのです。」と。

ビュフェ=絵画であり、本能のおもむくままに生きたであろう二人を想像した。

ビュフェは、口ごもりながらこう語った時があるそうだ。
「歳を重ねるに従って自由になった。老いることは決して悪いことではない。70歳になったとき、人生で一番幸せなときだと思った。私はいま何でも好きなことができる。前よりも穏やかになったし、日常の雑用もしない。絵描きになって生活できるのだから、描くことが大切なんだ。描けなくなったときのことを考えて、何回も自殺を考えた。自殺を考えない人間はバカだ。去年の夏はエネルギーもなく、散歩もできず、何もできなくなって辛かった。犬3匹とアナベルと私の5人で、いつも散歩していた道順を目で追うことしかできなくなってしまった。」(芸術新潮 2000年3月)

そして、ビュフェ71歳。2000年間近の1999年10月4日。
「ニースとマルセイユの間の山間部にある小さな村の自宅のアトリエに通じる廊下で、首の回りをガムテープでしっかり押さえたビニール袋を頭からかぶり倒れていた。窒息死とみられる。最近はパーキンソン病で悩み、生きる気力をなくしていたという。」

ゆったりとした空間に100点の作品が展示されていた。
昔見た「カルメン」には会えなかった。また来ることにしよう。

絵はがきを3枚買った。
「花と道化役者」(1968年 116×89)

ベルナール・ビュフェ(1928,7.10〜1999,10.4)