校庭や園庭などの芝生化は、近年盛んに行われてきた。
芝の品種、施工や管理方法など四苦八苦して、
やっと定着してきたと感じていたが・・・
子どもたちの健康が第一!
●茨城新聞 2012年8月18日
線量下がらず、住民ら苗から育成の芝生剥ぎ取り 土浦・右籾小http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13452134677614
東京電力福島第1原発事故の影響で、放射線量が国の基準の毎時0・23マイクロシーベルトを超えている、土浦市立右籾小学校(同市右籾)の校庭の芝生約5400平方メートルが、線量低減のため全て剥ぎ取られることになり、17日から作業が始まった。芝は児童の体力向上やヒートアイランド緩和などを目的に、地域住民らが苗から育て、日々管理していたもので、住民らは「仕方ないが、国が責任を持って原状回復すべき」としている。
線量下がらず、住民ら苗から育成の芝生剥ぎ取り 土浦・右籾小http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13452134677614
東京電力福島第1原発事故の影響で、放射線量が国の基準の毎時0・23マイクロシーベルトを超えている、土浦市立右籾小学校(同市右籾)の校庭の芝生約5400平方メートルが、線量低減のため全て剥ぎ取られることになり、17日から作業が始まった。芝は児童の体力向上やヒートアイランド緩和などを目的に、地域住民らが苗から育て、日々管理していたもので、住民らは「仕方ないが、国が責任を持って原状回復すべき」としている。
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【写真説明】芝の剥ぎ取りに向けた作業が始まった=土浦市右籾 |
セシウムなどの放射性物質は土のグラウンドより芝生にたまりやすいとされ、積極的な芝生化が結果的に裏目に出てしまった格好だ。右籾小校庭の放射線量は現在も、平均で毎時0・23マイクロシーベルト以上が計測されており、剥ぎ取りを余儀なくされた。
同小の校庭を全面芝生化する「右籾小グリーンプロジェクト」は、町内会や商工会議所など地域住民100人以上が関わり、2009年にスタート。生育の早い洋芝を同年6月に植え付けた。3カ月ほどで“緑のじゅうたん”は根付き、児童らは芝の上をはだしで駆け、転げ回るようになった。地域住民らがローテーションを組んで芝の維持・管理に取り組んでいた。
同小の矢口一則校長は「体力測定の数値も徐々に上がってきていて、子どもの発達にいい」と評価。市は10年度から、園庭芝生化をすべての市立保育所と児童館、幼稚園3園に拡大し、健康と環境両面からの効果を期待していた。
しかし、昨年3月の原発事故で状況が一変した。同市には、放射線量が比較的高いエリアが桜川以南に多く、市は放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況調査重点地域の指定を国から受けた。その後、除染実施計画を策定して学校など公共施設や民家の除染を進めている。
同プロジェクトの海老原定男代表(60)は「これからという時に残念。芝生化はまた来春からやりたいが、元に戻す作業は国にしてもらいたい」と話している。
もう1年5ケ月も経過している。
子どもたちの被曝は大丈夫か!
<追記>ちょっと調べてみた。
芝の根を残して機械で刈る方法もあるようだ。
●朝日新聞 2011年8月4日
芝生の新たな除染法実験 根茎を残し刈り取り 福島県
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108040172.html
福島県郡山市の逢瀬(おうせ)公園で4日、新しい方法による芝生の除染の実証実験があった。芝を完全にはぎ取らず、根茎を残し深く刈り取るやり方。芝の再生が可能なうえ、刈り取る量を少なくし、費用を抑えられる利点があるという。
放射線の影響を減らすための県のプロジェクトの一環。約160平方メートルの芝生で作業員が放射線量を測定したあと、機械を使い、通常の芝の手入れよりも深く刈り取った。芝生の草や、刈り取ったり枯れたりした草がたまった部分に放射性物質が蓄積されており、それらや土の表面を取り除くと線量を減らせるという。
指導した東京農大地域環境科学部の近藤三雄教授は「線量は3分の1に減るはず。知恵を出し、芝生を生かすやり方で進めていきたい」と話した。
県は実験の効果や方法を公表し、芝生がある公園や家庭にこの方法を広めていく方針という。(佐藤美鈴)
●千葉県印西市立原山中学校運動場敷地の芝生除染工事 2012年8月1日
http://www.city.inzai.chiba.jp/www/contents/1343362704306/index.html
印西市立原山中学校運動場敷地の芝生除染工事が始まりました。
芝の根だけを残し、芝の再生を促す工法
ゴルフ場「いわきプレステージカントリー倶楽部」の
芝の張り替え
●週プレNEWS 2012年8月20日
19億円かかる汚染ゴルフ場の芝張り替え費用、東電の賠償提示額は「13万円」の非常識http://wpb.shueisha.co.jp/2012/08/20/13538/
今年3月、「いわきプレステージカントリー倶楽部」(福島県いわき市・休業中)の総支配人、合津純一郎氏(43歳)は東京電力の担当者から、「芝の張り替え費用として、13万円を支払う用意があります」と告げられた。
高濃度のセシウムに汚染され、荒れ放題となったゴルフ場内の芝はもはや復元不能で、全面張り替えするしかない。専門業者にその費用を聞くと、19億円という数字の入った見積書が返ってきた。ゴルフ場の芝面積は13万平方メートル。13万円だと、芝の張り替え費用は1平方メートル当たり1円の計算だ。合津氏が呆れる。
「福島市がセシウム汚染のひどい渡利地区の公園を除染したんです。そのときの公園内の芝の張り替え予算が1平方メートル当たり3000円。東電の提示額はその3000分の1にすぎません。東電は自社でゴルフ場も経営している。芝の張り替えにいくらかかるか、自社のゴルフ場に聞けばすぐにわかるはずなのに、いったい何を考えているのか」
その後、地元メディアがこのやりとりを聞きつけて報道すると、東電の対応は一変。
「報道直後、担当者から『計算違いの額を伝えてしまった』という連絡が入ったんです。1平方メートル当たり1円ではなく、1000円の間違いだったと。ちょっとニュースになっただけで、賠償額が一挙に1000倍になったというわけです。当事者間の交渉では常識外れの安い賠償額を提示しておいて、そのことが報道で明るみに出ると急に増額してくる。しかも、1000倍になったとしても1億3000万円。とても芝の張り替え費用には足りない。東電の誠意を疑います」(合津氏)
昨年10月、合津氏は原発ADR(原子力損害賠償紛争解決センター)に和解の仲介を申し立てた。ただ、東電の対応はいつもおざなりで、まじめに賠償に応じる気配は見えなかった。合津氏が続ける。
「こちらはわらにでもすがる思いで、いわき市から東京都内のADRまで出かけている。もちろん、交通費も自腹です。なのに、東電は回答書面を毎回、調停当日に提出してくる。これではADRの弁護士さんは、その日初めてその書面を目にするわけで、仲介のやりようがない。交渉時間の大半は弁護士さんが東電の回答書面を読んで、その内容を検討することに費やされてしまうわけですから」
3度目の調停を終えた4月19日、合津氏はADRへの和解申し立てを取り下げた。
「何度交渉しても時間のムダと悟ったんです。これまで東電から受け取った仮払金は250万円だけ。営業再開を信じて待っている従業員の生活もある。営業損害や清掃費用など、東電が認めている賠償金をまずは受け取り、残りの除染費用や芝張り替え費用などの賠償は裁判で争うことにしました」
だが、ゴルフ場側が勝てる保証はない。昨年10月、やはり放射能汚染で休業中の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」(福島県二本松市)が東電に除染費用などを求めた裁判で、東京地裁は「原発から出た放射性物質は無主物で、東電の所有物でない。したがって賠償の責任はない」という東電の主張を認め、ゴルフ場の訴えを退けている。同じ理屈が採用されると、勝訴はおぼつかない。
「正直、裁判がどうなるか、予測はつきません。でも、こうなったら、もう法廷で争うしかない。そう覚悟しています」(合津氏)
あまりにも非常識な主張と対応を繰り返す東京電力。そこには、放射能汚染の被害者に対する誠意はまるで見えない。
(取材・文/姜 誠、撮影/井上賀津也)
■週刊プレイボーイ36号「怒りの告発! 東京電力、誠意なき損害賠償交渉の実態!!」より