「イヌの思考」を脳スキャンで調査
http://wired.jp/2012/05/07/dog-brain-scans/
イヌの脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像)装置でスキャンし、イヌが「何を考えているか」を研究する試みが進んでいる。
イヌの脳をスキャンすることで、「人間の最良の友」の心の中で何が起こっているかがわかるかもしれない。
『Public Library of Science One』に掲載される予定の研究論文では、イヌの脳において、報酬を期待するときに活性化すると予測される領域が、実際にその通りだったことが実証され、fMRI(機能的磁気共鳴画像)装置によるイヌの研究が論理的に実行可能であることが示されたと述べている。
論文の主著者であるエモリー大学の神経科学者であるグレッグ・バーンズは、普段は人間の意思決定における脳の様子(日本語版記事)を研究している(日本語版記事)。バーンズ氏によると、認識研究の動物モデルには、こうした研究で一般的に用いられるサルよりも、イヌのほうが優れている可能性があるという。サルにとっては、人間がたくさんいる実験室は異常な環境だが、イヌにとっては人間と一緒に過ごすことは自然な環境だからだ。
もちろん、fMRI装置の中でじっとしているのは、イヌにとっても普通のことではない。「キャリー」という名前の2歳のファイストと、「マッケンジー」という名前の3歳のボーダーコリーを訓練して、雑音を低減する耳当てを付けて装置内で動かないようにするのに、バーンズ氏の研究チームは8カ月を要した。
今後の研究でとりあげられるテーマとしては、例えば、イヌは人間が命じる言葉を理解しているのか、それとも、体の動きなど言葉以外の手がかりに反応しているのかというものがあるだろう。
「われわれが持っている興味のひとつは、イヌが人間をどう思い描いているのかということだ」とバーンズ氏は語る。
「シーザー・ミラン[有名なドッグトレーナー]が言うように、私たちはイヌにとってパック(群れ)にすぎないのだろうか。イヌの脳のどこが、人間やほかのイヌを表象しているのだろうか。それは聴覚なのか、嗅覚なのか、そうしたモダリティー(様相)の何かなのだろうか」
ほかの研究領域としては、イヌの「感情移入」や、それが人間の感情移入とどう違うのかという比較も考えられる。「イヌ好きの人は、イヌは人が何を感じているかがわかると考えている。わたし自身は、イヌを飼っているせいもあるだろうが、この問題についてはわからないとしか言いようがない」とバーンズ氏は言う。「懐疑的な人たちは、イヌは単に演技がうまいのだという。わたしはそうは思わないのだが。そうした問題についても分析してみたい」
昔、飼い犬にバウリンガルを付けたことがある。
鳴き声の違いに興味をもったからだったが、
1ケ月もしないうちにフリーマーケットで売ってしまった。
犬の鳴き声は、人間の言葉には変えられない。