2012年5月22日火曜日

富士山の緑化_山麓の植樹_大谷崩れの植栽_キノコ堆肥_静岡県立富岳館高校_中高生サイエンスアイデアコンテスト

■2012年5月22日 静岡新聞
キノコ堆肥で富士山緑化 富岳館高が開発 植樹や植栽に活用http://www.at-s.com/news/detail/100125812.html
キノコが持つ繁殖力に着眼し、県立富岳館高の生徒が開発した堆肥を富士山の緑化活動に活用する取り組みが、今月から始まる。名付けて「富士山の緑を守れ!神秘なるキノコパワー」プロジェクト。厳しい自然環境下で樹木の生育率を高めることができるのか、効果を検証する。
研究班は2、3年生9人で組織し、昨年11月から調査・実験を開始した。キノコ(コムラサキシメジ)から成長物質のアザヒポキサンチン(AHX)を抽出。再生紙の廃材であるペーパースラッジと混ぜてチップ化した。
同チップを使って小麦を栽培したところ、何も与えなかった小麦に比べて1・7倍の成長効果が現れたという。チップは家畜の排せつ物に加えて堆肥にする過程で、臭いや水分を吸収。AHXはストレス耐性に優れることも分かった。
研究は3月に開かれた全国公募の中高生サイエンスアイデアコンテストで、最高賞に選ばれた。生徒は審査委員の江崎玲於奈博士=ノーベル物理学賞受賞=から「まねではなく初めての研究を目指してほしい」と激励されたという。
研究班代表の前嶋美緒さん(3年)は「休日も活動に励んだので、受賞は本当にうれしかった」と喜ぶ。
堆肥は今月下旬に富士山麓で行われる植樹で使用されるほか、静岡市の大谷崩れの植栽にも導入が決まった。生徒の研究には地元の酪農家や製紙会社、静岡大、国、富士宮市などが協力する。指導に当たる望月基希教諭は「山での植樹に加え、野菜や稲の栽培でも効果を検証したい」と話す。