2012年10月19日金曜日

富士山の噴火_火山噴火緊急減災対策砂防計画_国土交通省富士砂防事務所_土石流を感知するセンサーの設置・ヘリを使った火山灰の分布調査

●読売新聞 2012年10月19日
富士山噴火を想定、国交省事務所が減災対策
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121019-OYT1T00542.htm?from=ylist
 国土交通省富士砂防事務所(静岡県富士宮市)が、富士山噴火を想定した「火山噴火緊急減災対策砂防計画」の案をまとめたことが18日、わかった。
 被害を受ける範囲を最小限にとどめ、山麓住民の避難に時間的余裕を持たせるのが狙いで、国交省が富士山噴火時の具体的な減災対策に乗り出すのは初めて。
 同計画は、国交省が全国の29火山を対象に、2007年から進める防災対策の一環。18日、山梨、静岡両県の15市町村でつくる「環富士山火山防災連絡会」が山中湖村で開かれ、富士砂防事務所が計画案を発表し、意見や提案を求めた。
 計画案では、富士山で火山性地震微動や、地形の隆起など噴火の前兆が現れた際の対応がまとめられており、国交省が両県や地元市町村と連携し、火山灰が川に堆積して起こる土石流や小規模の溶岩流対策として、既存の砂防用堤防の周りを掘り下げたり、大型土のうを積み上げたりして、市街地に被害が及ぶのを遅らせる対策が盛り込まれている。
 また、噴火時の観測態勢強化策として、土石流を感知するセンサーの設置や、ヘリを使った火山灰の分布調査などを提案。地元市町村と協力して監視カメラと通信網を整備し、富士山の観測映像を地元市町村が確認できるようにするという。
 国交省は、11月末をめどに地元市町村の意見を集約し、両県や学識者との協議を経て、13年3月に計画を確定させる方針。富士砂防事務所調査・品質確保課の鈴木豊課長は「平常時から準備をすることで、被害は必ず減らせる。計画確定後、複数年度で整備を進めたい」と話した。(久保拓)