●中日新聞 2012年7月11日
シイタケ生産者「脱原発」 県協議会
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20120711/CK2012071102000060.html
福島第一原発事故で、風評被害にさらされているシイタケの生産者などが集う「静岡県しいたけ生産者大会」が十日、浜松市西区で開かれ、出席者約百三十人が「脱原発」を盛り込んだ大会宣言を採択した。
農林業界で、原発問題について一定の方向性を打ち出すのは異例だ。
大会では、主催者を代表して県椎茸(しいたけ)産業振興協議会の榛村純一会長が
「農林業が、放射性セシウム被害を引き金として崩壊の危機にある」などと問題提起。
大会宣言は、県産シイタケの風評被害が続き、生産・流通が大きく損なわれかねない危機的な状態
などとした上で▽品質の適正化▽ブランドの確立-といった五項目のうちの一つを「生産技術の向上と後継者の育成、脱原発を視野に自然・安全を心掛ける」とした。
同協議会によると昨秋、伊豆市で加工された干しシイタケから放射性セシウムが検出されて消費が低迷。例年一キロ当たり四千円ほどだった価格が、今年は二千円ほどの安値が続いている。
星谷彦衛副会長は「伊豆地区の強い気持ちがあった」と、大会宣言に脱原発を盛り込んだ背景を説明。「風評被害がいつ収束するか分からない。今年いっぱいなら何とか持ち直すが、来年以降も続くと、かなりの生産者が痛手を被る」と語った。