2012年5月5日土曜日

「そろそろ死ぬことを考えます。」「一人哀しむことの快楽におぼれます。」貫 恒実さんからの手紙_劇団手織座

貫 恒実さんに初めてお会いしたのは、青山のデザイン事務所でのこと。
当時はすでに劇団手織座の演出をされていて、俳優としての貫さんは知らない。
いくつか演劇を拝見したが、宝生あやこさん主演の「音楽劇・楢山節考」が印象深い。

●昭和54年度 第34回 文化庁芸術祭賞
演劇部門 芸術祭優秀賞 貫恒実(演出家) 劇団手織座公演「喜劇 愛しきは」の演出

●テレビドラマ出演
「若者たち」、「サインはV(1) 」、「東芝日曜劇場」、「特別機動捜査隊(第79回)血と砂」、
「兄貴の恋人 」、「時間ですよ(2)」 、「太陽にほえろ!(第42回)知らない街で.... 」

●大丈夫への道。剣持直明です。がむばるべえ。
2011年04月02日「我が師」
http://ameblo.jp/daitaiha/day-20110402.html
(一部抜粋)
ボクの最初の演劇の師匠、劇団手織座の演出家、貫恒実さんは、モリエールが大好きでした。芝居を初めて一年目、貫さんの演出で出演させていただいた『スカパンの悪だくみ』は、忘れられません。『次は「タルチェフ」やるぞ!』って仰ってたな、貫さん。実現できなかったけどね~、残念ながら。
三谷幸喜さんがサンシャインボーイズの朋友である俳優さんの葬儀の際に仰っていた言葉ー
「人間は二度死ぬ。一度目は命が失われた時。そして二度目は、誰もその人の事を語らなくなった時。」貫さんにはまだ、二度目の死は訪れていませんね。なんだか少し、熱い気持ちになりました。

●貫 恒実さんからの手紙


(前略)

そろそろ死ぬことを考えます。
そうしたら良い仕事をするかといえば、そうでもない。
ただ経験の間に間に浮かんでいます。
でも人間にも、仕事にも、
その苦汁のような味わいに、
寝床の中で歯ぎしりします。
結論はないのだけれど、

痛んだ五体と精神をひっさげて、
もろい、実にあやうい関係の中で、
一人哀しむことの快楽におぼれます。

(後略)

昭和61年9月30日 貫 恒実


貫さんは、穏やかな口調でありながら、そこには深く鋭い真実がいくつもあった。