■2012年5月10日 静岡新聞
富士山と駿河湾を借景 新「日本平ホテル」9月開業へ
http://www.at-s.com/news/detail/100122486.html
半世紀前の開業以来初の建て替えに着手した静岡市清水区の老舗ホテル「日本平ホテル」の概要が9日、明らかになった。静岡市と一体で進める日本平公園整備事業の一環で設計され、富士山と駿河湾を借景とする「風景美術館=日本平」をコンセプトに国際水準の高品質な施設に生まれ変わる。早ければ9月下旬にも開業の予定。
広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律に基づく「民間拠点施設整備事業計画」として全国初の大臣認定を受けたことも明らかになった。
延べ床面積約1万9千平方メートル、地上6階建て。客室数は約80室とみられる。解体済みの旧棟が富士山を正面に仰ぐ造りだったのに対し、新棟はあえて建物の正面を富士山から5度ほど右に回転させた。窓の外に広がる風景を絵画に見立て、富士山を左側に置く「構図」を強く意識した。
客室は平均45平方メートル程度のゆったりとした造り。国際会議も招致できるコンベンション機能やブライダル施設、スパも備える。
旧静岡・清水両市境にある日本平山頂周辺は国指定名勝や自然公園法、風致地区など規制の網が複雑にかかっている。観光資源として潜在力が認知されながら従来は開発が進展しなかったが、合併を経て新市発展のシンボルとして公園整備がクローズアップされた。
日本平は来年1月の国連軍縮会議の開催地に決定し、同ホテルは会場の有力候補とされる。
日本平ホテル
1964年に旧日本平観光ホテルとして開業した県中部を代表する名門ホテルの一つ。かつて「日本観光地百選コンクール」第1位になった静岡市清水区の日本平山頂付近にある。静岡市中心街や清水港も見下ろす夜景美で知られ、木村拓哉さん主演のTBS開局55周年記念ドラマ「華麗なる一族」の長期ロケにも使われた。